ブラックユーモアホフマン

コレクションする女のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

コレクションする女(1967年製作の映画)
4.6
ロメールは人間の、特に男のみっともなさを描くのが本当に上手いなー。恥ずかしながら身に覚えがありすぎる。

しばらく間を置いてまたロメール観てみると、前より体に馴染んでる感じで、やっぱり面白いなと思う。よくこんなに似たような話のバージョン違いを大量に作れるもんだ。

好きじゃないわーと思ってた女に惹かれていく自分も嫌なんだけど、そんなこと考えてウジウジしてる間に女は自分以外の色んな男とどんどん関係を持っていってそれも我慢ならなくてますます嫌いだわー軽蔑するわーと思いながらもやっぱり惹かれていて、耐えきれずちょこーっとずつアプローチすると自分にだけはつれなくて、いやあれはむしろ俺が本命なんだとか都合良く解釈したり、は?別に?俺も好きじゃないし遊びだし向こうが欲しがってそうだから言い寄ってやったまでよ、そんなことより俺には他にやりたいことあるし、いや逆に良かったわー!焦ったー!マジだったらどうしようかと思ったわ!みたいな言い訳を誰に言うでもなくモノローグで延々と言い続けて、ほらお望みの独りっきりですよとなったら、んーーなんかいいや、気乗らないから帰るわ。

そしてやっぱりバカンス映画っていいなー。僕も海の近くの静かな別荘に何週間も滞在したいもんだなー。できないけど。

【一番好きなシーン】
・プロローグ終わり
・もう一人の男が「ガリレオ」第一話の唐沢寿明みたいにずっと足で床ドンドンやってるシーン。あっちもあっちでみっともない。けど、分かる。分かるよ。