なお松

空の大怪獣Qのなお松のレビュー・感想・評価

空の大怪獣Q(1982年製作の映画)
3.0
 冒頭、いきなり首がもがれた死体やら、全身カワハギ殺人事件やら、空から降ってくる謎の血やらわくわくするガジェットが満載で、期待も膨らむが、肝心の空Qは定石通り、なかなか全身を現さない。ひたすら人間ドラマが展開される。主人公は事件を追う、デビット・キャラダイン刑事‥‥ではなく、ちんけな小悪党の方である。その小悪党がただひたすらねちねち愚痴を言うという全くシンクロ率ゼロの展開が続くのである。
 後半やっと姿を現した空Qはそのやっつけ感ありありのデザインにかなりテンションさげられるが、その分ストップモーションアニメの出来が素晴らしく、クライマックスの超高層攻防戦での群がる警官隊を文字通りちぎっては投げ、ちぎっては投げの大活躍の空Qの雄姿は今までのストレスを払拭するほどの名シーンである。しかし如何せん特に能力のない大きな鳥でしかない空Qは、予算の関係もあり、あっさりハチの巣にされてしまう(涙
 そして今まで何もしてなかったキャラダイン刑事はラストになぜか不死身(しつこいだけ)な犯人をやっつけてめでたくおしまい。勿論お約束のラストも‥‥
 それにしても小悪党の提案したサーカステント包囲作戦はぜひ映像で観てみたかった。残念。
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