KoMuto

さんかくのKoMutoのレビュー・感想・評価

さんかく(2010年製作の映画)
3.6
プロット:7
映像:7
演技:7
演出/世界観:8
好み:7

一言:
たまらなく惜しいという感想だった...
すごく、何もかもが中途半端で、悪い意味で丸い映画だと思った。プロットから演出まで全て8で揃ってしまう、どこか突き抜けきれなかった作品。

50分くらいのところで急にオカルト的なカメラ回しと陰影のつけ方になった時は、おおおおおおまじか!って興奮したけど、結局作品に通底するのは恋ドラ的な空気だった。

登場人物全員が見事に「まとも=迫真的 」で、現実世界と映画世界が地続きになっている感覚はすんなり持てたから、何らかの方法でもう一歩フィクショナルな世界に引きづり込んで欲しかった。つまり、世にも奇妙な物語のように、現実→非現実の流麗なスペクトラムを描いて欲しかったと思った。
最後のオチが変に現実的で、crudeな形で現実と非現実が混在した作品になってしまったと思う。もう一押しを期待してただけに、すこしがっかり。

前半30分でえれぴょんを退場させることで、視聴者にも「早くえれぴょんに会わせろよ!電話したいよ!」と主人公と同じ認知を与える部分は、王道だけどうまいなあと思った。観者にキャラクターと欲望を共有させることこそ、unreliable narratorを隠蔽するテンプレ!

視聴後の爽快感は皆無。うーん中途半端、って感じ!
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