えぬえ

アニキ・ボボのえぬえのネタバレレビュー・内容・結末

アニキ・ボボ(1942年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 要約すれば素朴なお話なんだけど、細かい演出や丁寧な描写で終始笑顔になってしまう
 遅刻の罰を受ける子供は脚立の上で授業を受け、ヒロインの女の子は二階から主人公たちを見下ろしながら登場し、乱暴者のライバルは誰よりも高いところから海に飛び込んで見せる、など、垂直方向の移動が登場人物たちの関係性などを現す上で効果的に使われていたのが印象的(中盤以降主人公を苛み続ける「警察」の初登場、背景上方に空を横一直線に切り裂く鉄橋が写ったカットも美しかった)
 終盤ライバルの男の子が崖を転がり落ちるのも同じ高さの移動が少年たちの関係性に大きな意味を与えてる
 学校から子どもたちが一斉に帰宅するシーンは、リュミエール兄弟の工場の出口をオマージュしているんだろうか。子どもたち一人ひとりの個性が消え、画面上をランダムに運動する集合体のように描かれるようなシーンが何度かあるけど、それも見栄え良かった
 あとは、走る子供を追いかけるカメラが動きを追い切れずにフレームの端に子供がぶつかりフレームが跳ねるように動くシーンとか、早く運動する子供のバックに、追い抜かれていくゆっくりした運動体(小さな帆船とか)が並んで移されるシーンとかが美しかったです
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