クリストフォルー

男はつらいよ フーテンの寅のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

3.8
1970年の松竹正月映画で森崎東の監督二作目。「男はつらいよ」がまだシリーズ化されるか不確定な時期だけに、フーテンの寅がやりたい放題。タイトルに偽りなしの快作になっている。
さくら(倍賞千恵子)の出番が少ないのはスケジュールのせいだろうが、逆にとらやの面々のイレギュラーな活躍が見られる。しかし、本作の見所は、何故か揃った多彩なゲスト。新珠三千代は、本作が番宣にもなった『細腕繁盛記』で、同じ地方旅館の女将役で名を馳せたし、香山美子も大川橋蔵主演の『銭形平次』で、女房お静(三代目)役に抜擢され、お茶の間の顔になった。冒頭で役名もなかった悠木千帆(樹木希林)も、この年『時間ですよ』にレギュラー出演。個性派脇役への道を歩みだす。春川ますみも、このあたりからテレビで見る機会が増えてくる。
そして、「男はつらいよ」は、山田洋次と渥美清を否が応でも離さないくびきになってしまう。それを言っちゃあ、おしまいだけど…。
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