ラコちゃんコウちゃん

ミュンヘンのラコちゃんコウちゃんのレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
4.6
面白かったですね。
さすがスピルバーグと言っておきましょう。
娯楽作品も良いですが、こういうシリアスな大作系でもスピルバーグの力が発揮されますね。
観る前は長いかなって懸念がありましたが、全くその心配はいりませんでしたね。
スピルバーグも凄いですが、この題材が凄いですよね。実話です。
1972年、パレスチナの過激派によってオリンピック選手が殺害されるというミュンヘンオリンピック事件とその後に首謀者とされる過激派組織に対する暗殺作戦を題材にしています。実話だけあって圧倒的なリアリティ。
エリック・バナ演じるアヴナー率いる諜報部員がミュンヘンオリンピック事件に関わった人間を一人一人暗殺していく展開。
「必殺仕事人」のごときお話。
計画の失敗、アクシデントはあるものの、次々に過激派たちを仕留めていく様は、スリルと興奮、緊張感があり、そして何とも爽快ですね。
あわや無関係の少女まで巻き込んでしまいそうになるシーンは手に汗握る。
そして終わればホッとするんですよね。
いつの間にかもっとやってしまえって感じになり、応援していましたね。
暗殺時に使われているBGMが、静かな鼓動を想起させ、何ともたまらない。
そして物語の展開も僕にとってはたまらなかった。前半の暗殺が成功していく爽快な展開から打って変わって、後半は逆に諜報部員達が次々に何者かに殺される展開となる。こっちまで恐怖にふるえましたね。手に汗握る恐ろしさです。
凄まじいリアリティと演出によって、物語に引き込まれるどころか、間違いなく主人公に感情移入してしまっていた。
これぞ一級のストーリーだと思いますね。
しかしラストがもう少しでしたね。
実話なだけに内容を変えるわけにいかないので仕方ありませんが、ちょっと中途半端でしたね。
途中までは満点に近い内容だったんですがね。惜しかった。