ミュンヘンの作品情報・感想・評価

「ミュンヘン」に投稿された感想・評価

mizuki

mizukiの感想・評価

3.5
エグい、憂鬱、暗い…スピルバーグ監督のエグさがもろにでていてとても疲れる映画でした〜笑笑 この映画、見てみたらわかると思いますがユダヤ系のスピルバーグはとてもユダヤの人々から非難されたらしいです。でもそれを承知の上で、中東の泥沼化、一方ではなく互いが互いに怨恨を積み重ねている泥沼な状況を描いて気づかせなければならないという責任感、使命感みたいなものが監督の中にあったのではないかと推測してしまいます…でもまた見ることがあるかと言われたら少し考えてしまうくらい不毛な気持ちになる映画です笑笑
ntt888

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4.0
今も続くイスラエル、パレスチナ問題。平和の祭典であるはずのオリンピックで選手含めコーチに起きた悲劇、そして報復。血を血で洗う争いはいつまで続くのでしょうか。


「最もよい復讐の方法は、自分まで同じような行為をしないことだ。」
マルクス・アウレリウスが言ったこの御言葉を私は忘れないように生きていこうと思った。

屋外のレストランでワイン飲みながら作戦会議するシーンはまあ、お洒落…
ハンナ・アーレントは、彼女の著作である「人間の条件」の中で、現代では家族という私的領域が拡大して公的領域を侵食し始めていると述べている。
国家という単位が公的な存在ではなく、家族のような私的な存在となってしまったのだ。

アヴナーたちは、国家という母に褒められたい一心で母親からの言いつけを素直に守る健気な子どものようだ。
国家に邪険に扱われ見捨てられたアヴナーは、両親に捨てられた孤児のようでもある。

スピルバーグはこの映画でも、家族という主題から逃れられないのだ。
私的領域が拡大した結果、私たちは国家という母親からの言いつけを守り続けなければいけない状況に追い込まれている。
その緊迫した状況が、暴力の連鎖を生み私たちを破滅に導いている。


「お前は停滞そのものを恐れているんだ」
停滞とは平和そのものだ。
しかし、私たちは停滞そのものを恐れている。
それは、国家に「停滞とは罪だ」と刷り込まれているからだ。
「成長」という幻想。
「文明国家」という幻想。

暴力の連鎖を止めるためには、停滞を恐れてはいけない。
国家という母が誤った言いつけを私に与えてくるのなら、それをはねつけなければいけない。
そのために、停滞の場である公的領域を私たちは取り戻さなければいけないのだと思う。
上映時に観て以来の鑑賞。仕方ないとはいえ、ユダヤの礼賛度合いの高さに監督が監督だけに仕方ないとはいえ、少し違和感を感じる(悪気はない)。ジョン・フランケンハイマーやイーストウッドあたりがメガフォンをとったら、どんな感じになってたろう。
tak

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3.7
 ミュンヘン五輪で起ったイスラエル選手殺害事件に対して、イスラエル政府が選んだ措置は”復讐”。事件に関わった11名のアラブ人を暗殺するために、選ばれた主人公と4人の協力者。彼らの実話を基にスピルバーグは見事な力作を完成させた。従来のファンが期待するスピルバーグ印のファンタジー/エンタメ路線とは一線を画した、「シンドラーのリスト」や「プライベート・ライアン」路線のスピルバーグのアザーサイド。

 スピルバーグが訴えたかったのは、「報復」も所詮殺人に他ならないし、復讐は復讐しか呼ばない、ということ。既に多くの人々が語り、訴えてきたことだが、人類はそれでも「報復」という名の殺人を犯し続けている。自身がユダヤ人でありながらスピルバーグは、イスラエル政府がミュンヘン事件に対し「報復」を選んだこと、ユダヤ人の厳しい歴史があるから今度は強い態度に出てよいとする考え方に、疑問を投げかける。これは勇気がいることだろうし、実際に批判も多かろう。でも敢えてスピルバーグがそれを選んだ。わかりきっているのに、誰もそれを止めようとしないから。ラストシーンにニューヨークを選んだのも、「報復」の意味を世界に示したいからに違いない。

 この映画の主人公たち暗殺グループは実際のところ経験もない。携帯もPCもない時代だから、スパイ映画のようにうまく事は運ばない。自分の身が危険になることもあれば、罪がない人を巻き添えにしそうにもなる。その頼りなさに僕ら観客はハラハラする。スピルバーグ映画に残酷な場面はこれまでも少なくなかった。今回も多々出てくるのだが、仲間を殺された「報復」で女性を殺す場面など特に生々しい。そうした”殺人”を重ねるうちに主人公たちは、狙われる側になり、仲間は次々と殺される。主人公も精神的に追いつめられてベッドで落ち着いて眠ることすらできなくなるし、愛する妻とセックスしても回想や妄想が彼を苦しめる。人を殺すことは、自分という人間をも破壊してしまう。殺すも復讐するも同じ”殺人”。

 誠実そうなエリック・バナのイメージがあるので、苦悩する姿が見ていて痛い。マチュー・カソビッツや「007」のダニエル・クレイグなど、協力者の4人や、情報提供者のフランス人たちも個性的なキャラそろい。特にフランスの”パパ”に(後醍醐天皇顔の)ミシェル・ロンスデールを起用してくれたのは実に嬉しい!。そして何よりも感じたのは、我々はもっと現代史を学ばなければならないということだ。
ラストのアヴナーの言葉が全てなのかなって思った。
ベッド爆弾のシーンがイヤホン越しなのにめちゃくちゃ爆音で文字通り飛び上がりました。そのせいもあってかなりの緊張感をもって鑑賞。アヴナーの恐怖もリンクしました。
モサドってもっと百戦錬磨な人達かと思ってたけど、爆弾担当含め、ちょっとモタモタするところとかが何だかリアルでした。
エリック・バナは割と好きなんだけど、あれだな、顔が優しすぎて可哀想感が出すぎるのかな、なかなか大成しないな。
長め金髪が新鮮だけどあまり似合わないダニエル・クレイグが先をいってしまった。
OTO

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3.7
まずは序盤のテロシーンが臨場感に満ちており、観客を心を捉える。

モサドによる報復が繰り返される時間帯が長く、中盤でややダレる。だが、パレスチナ側の重要ポストに就く人間を殺したところで、また代わりの人間がそのポストに就くだけであり、報復は根本的な解決にならないと最後に主人公が気づくためには、これくらいの長さが必要だったのだろうか。

途中で挫けず、ぜひ最後まで観てメッセージを受け取ってほしい作品。
Taul

Taulの感想・評価

4.0
「ミュンヘン」を初鑑賞。スピルバーグの史実残酷ものの「プライベート・ライアン」、「シンドラーのリスト」よりも地味だが、達観したような感じがよかった。でも先の2作があったから、ユダヤ人の彼でもこのテーマを冷静に描ききる自信があったのかも知れない。

「プライベート・ライアン」はWWⅡの激戦の、「シンドラーのリスト」はユダヤ人虐待の悲劇をうたいあげ、救済の願いを込めて締めくくられる。「ミュンヘン」で描かれる報復の戦いは、日常の中で続いていく比喩で終わる。そしてまさに我々はその中で生きている。
nagarebosi

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4.5
最近の政治スリラーの中では傑作。
ひじょうによく出来た政治スリラーで70年代っぽい雰囲気をよく表している。例えば「ブラックサンデー」のような感じか。
60~70年代に流行ったズーム撮影をより洗練させて見事。端的なカットで観る者にグイグイとスリルを煽る編集も抜群。
衣装(今観るとかなりダサいです)や美術、セットや小道具等の細かい部分まであの当時を再現しているのもすごい。
ドキュメンタリーでは無いのでかなりの部分はフィクションらしいが、それでも深く考えさせられる。
暴力の連鎖は止まらないだろう。なぜ起きるのか、その理由の一つとして劇中、主人公がパラノイア的に自室をくまなく調べていくシーンに答えの一つがあるように思う。殺さなければ殺される、と。
争いの意味、戦争の虚無、そういった総ての思いを監督はラストのあのビルに託したのかもしれない。
しかしボンドがここでも活躍していたとは!
2

2の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

史実への頭の悪さ半端ないのでストーリーを伏せると、圧倒的に好きな俳優さんであるアマルリック氏がでっかい犬連れてたりアイマスクもぎゅもぎゅしていた覚えしかない
オリンピックはもちろん知ってるけどテロがあったのは知らなかったし主人公の精神の衰弱したセックスと共に選手が殺される顛末が映されるの、悪くないですけど微妙な気持ちにはなりました
少女と電話のシーンは緊張感あってハラハラした
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