上海十月

ミュンヘンの上海十月のレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
3.8
スピルバーグ映画の中でも最も物議が起こった作品。再見だが9.11以降に起こる国際的なテロと報復の連鎖を得て今改めて見ると考え深い。初見の時は、なんちゅうシリアスなどっちつかずな映画で「シンドラーのリスト」で、てっきりイスラエル側ジャン!と思っていただけにパレスチナ側にも立ったと思われてもしょうがない映画。遺族からは、評価が高い作品だったそうな。再見しながらスピルバーグも、さすがにイスラエルとパレスチナにおける報復の連鎖が無意味だと悟ったんだなぁと。悟りがキツすぎて物凄くシリアス。エリック・バナがコメディアン出身とは知らなかったが、シリアス演技は、コメディアンにはお手の物。2005年前半は、「宇宙戦争」でメガヒット。同時に2作品をコントロールするスピルバーグは、職人であり巨匠で「宇宙戦争」あるから本作が赤字でもいいかと思ったのかもしれない。しかし、「宇宙戦争」は、イラク戦争の暗喩だった。どちらも当時のアメリカを表現している。
上海十月

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