Jeffrey

デビッド・クローネンバーグのシーバースのJeffreyのレビュー・感想・評価

2.8
「シーバース 人食い生物の島」

冒頭、蠢く寄生虫。奴らは知らぬ間に人の身体へ潜り込む。蟲の感染、とあるマンションの悲劇、父と娘の死。理性破壊、セックス拡散、生命体、住人達の狼狽。今、戦いが始まる…本作は伝説の劇場用映画デビュー作のデヴィッド・クローネンバーグが監督、脚本を務めた侵略SF映画で、この度BDが発売され、久々に鑑賞したが面白い。今回はテレビ放送時の日本語吹き替えも初収録されていてファンにとっては嬉しいことだ。誰もが知っている「スキャナーズ」などでインパクトを残した彼による初めて撮った映画である。セックスによって人から人へ移っていく寄生虫による恐怖を描いたもので、監督によるオーディオコメンタリーの他、豊富な特典映像も嬉しい限りだ。音楽監修したA・ライトマンは「JUNO/ジュノ」を監督した息子がいたよな確か。



さて、物語は人間の内臓の代わりになると研究されていた寄生虫には恐るべき秘密が隠されていた。寄生虫に寄生された人間は理性を失ってしまうのだった。セックスにより次から次えと寄生虫の感染は拡大し、マンションの住民たちは寄生中に寄生されていく…と簡単に説明するとこんな感じで、インモラルな欲望にまみれた悪徳の空間にマンションがなると言う話である。いゃ〜、当時劇場未公開だった本作は、謎の生命体大襲来と題されてテレビ放映されていたが、過激なシーンはほぼカットされてしまった作品でもある。相変わらず昆虫に頼る監督だなと思う。蟲が大好きである。最早虫へのシンパシーは何処までもあるだろう。確か寄生虫は好きな分野で、遊びに行ったカンヌ映画祭に触発され、商業映画を撮らなければと思ったとかって言ってた様な…。てか、バーバラ・スティールが本作に出てるのは嬉しいファンとして。それこそフェリーニ作品にも出てるし。ハイライズ映画だ。
Jeffrey

Jeffrey