とぽとぽ

デビッド・クローネンバーグのシーバースのとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.5
愛に飢えてる!何か言った?知性を深めるときよりも(文字通りの出血大サービス含め)欲望に忠実なその捌け口。体の中でうごめくもの、焼けるように迫りくる。実にクローネンバーグらしい題材で気持ち悪い、キモすぎて吐ける勢いで感染する寄生虫ゾンビもの。生粋のウニョウニョ恐怖症だからつらかった。そいつによって人々はゾンビ化したように大暴れ。時に変態じみて倒錯したような世界観でエグみがすごいのに不思議と人を引きつけ続ける魔力こそ、まさしく彼の作家性のよう。攻めた作風ながら長い時代にわたって第一線で活躍し続けているのがその証左。
理想郷のはずが狂っていく一夜のカオス。すべては1511号室から始まる寄生虫版ハイライズ?酒池肉林を地で行く血も乳も滴るいい変態。すべてはエロティック、すべてはセクシャル。死はエロティシズム、呼吸することも存在すること自体セクシャル。頭でっかちな現代人が冷静に見るとめちゃくちゃバカげているけど案外深いかも、いや、やっぱり芳ばしい混沌を極めていく。なんじゃこりゃ。おじいさん曰くメガビタミン療法で若返ることはできなくても老化を防ぐことはできる、らしい。おばあさんは雨も降っていないのに何のためのビニール傘だか。ジェニーンかわいい。

I'm hungry for love!
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