21世紀K

デビッド・クローネンバーグのシーバースの21世紀Kのレビュー・感想・評価

3.2
人から人へ感染するという意味ではゾンビ映画とほぼ同じだが、寄生生物は必ずしも自ら人体の中に潜り込むわけではなく、宿主の理性がある程度保たれた状態で人間自らが感染(生殖)行為を渇望し、性のリミッターが外れた状態にもっていくという戦略にはクローネンバーグらしさがあった。しかし、時代もあってかその感染経路がほぼ異性からのものという限定された構図の中で、先が読めないようにしようとしたのかクロスカッティングを多用して時間のズレを作るも、それが結局サスペンスの持続を中断している。クローネンバーグが執着する性のテーマが良くも悪くもアクションの幅を狭めてしまった印象。
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