いってるびうむ

ガートルード/ゲアトルーズのいってるびうむのレビュー・感想・評価

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視線はずっと合わない。
登場人物がソファやベンチに並んで座ることが繰り返されるが、最後のシークエンスで「愛が全て」と言うとき、初めて並ぶ二人が向かい合い、初めてソファが後ろ側から撮られるが、視線はここでも合ってない。
その後、作中何度目かの「さようなら」で、初めて別れる二人が切り返される。それも二度。
そして随所で鳴っていた鐘の音が鳴り、反復と差異の本作が締めくくられる。

反復と差異
・夫と詩人相手に男の仕事と女の愛の話
・ゲアトルーズが詩人の写真を破ることと、夫がゲアトルーズの写真を破ること。それを暖炉にくべるが、アクセルもゲアトルーズの手紙をくべる
・詩人が鏡の両脇のろうそくに火をつけ、ゲアトルーズがそれを消す