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フィラデルフィア物語のreachのレビュー・感想・評価

フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)
4.2
軽やかなアイロニーを含んだジョークの応酬が気持ちいい。詩的な台詞の言い回しも素敵。純潔な女神像を持たれているが、しかし女として愛されたいという葛藤を持ち合わせた女性を、キャサリン・ヘプバーンは上手く演じていた。私自身は好きな女優ではないが、高潔に気強く振る舞う顔と、女性のいじらしさを覗かせる顔、素晴らしい演技力だった。
ケイリー・グラントはもう出てきた時からオーラが違う。ああ、終着点はこの人だな、と納得してしまうというか、もう序盤でラストが見えた。そしてマイクは、途中帽子を取るまでジェームス・スチュアートだと気付かなかった…ヒッチコックで見慣れているせいかしら。
終始ケイリー・グラントの視線が優しく、瞳で愛が読み取れる演技は見ていてこちらまで幸せな気持ちになった。オチも面白いし、オススメの映画のひとつである。
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