そうねだいたいね

アントニー・ジマーのそうねだいたいねのレビュー・感想・評価

アントニー・ジマー(2005年製作の映画)
5.0
最高。陰キャ男が美女への報酬の無いママ活に巻き込まれ、陽キャへと成長していく姿を描いたラブ・アゲイン青春グランド・イリュージョン映画として自分は見た。会って5分も経ってない美女に「紅茶、ミルク入り」と言われて素直に売店に買いに行く辺り、同じ陰キャ臭がしたので、その時点からテレビ番組にダウンタウンが出演している以上の安心感に包まれ、一気に物語に入り込めた。「どうしてこの席に?」と聞いたら、「あなたが私のタイプだから」って美女に言われてみたいし、言われたら多分どこへでも着いて行くでしょう…それが嘘でも?こちらからは以上です。と言いたいところだが、『ツーリスト』見てないから前情報全く無しで見たけど、フランス映画特有?のゆったりとした調子でその遅さが物語に上手く作用してか、先読みできない展開(後半で流石に気付いたが)と同時に今作ならではの独特なリズムを感じる心地良い時間が流れていた。端的に言えばレフンとは真逆の色彩の無い白と黒を基調とした画面(そういえば『ザ・バンク 堕ちた巨像』もそうか)や、細かいカット割でこちら側に役者の動きを細部まで見せたいような作りは個人的にとても好みだった。なんかこう語ろうとしてるねんけど、結局最低限の情報のみで終わらせるのが上手い。錯覚かもしれないがセンスを感じる作品。