だた

暗闇の秘密のだたのレビュー・感想・評価

暗闇の秘密(1949年製作の映画)
4.0
見えないものに追われて女が階段をかけおりてくるサスペンスフルな冒頭の長回しから、最後にその女が同じ階段を上ってラブストーリーに逢着する。ジャンルとしては奇妙な映画だと思う。夜のシーンのおどろおどろしい照明演出が、亡き夫の幻影/てんかんの発作という、いつ襲撃されるか分からない二人の恒常的な不安を表現している。邸の外観もすげえ怪しい。

レーガンがパイプを咥えたまま発作に襲われるシーンは、まるで魂が煙とともに抜けていくかのようなアオリとカット割り。直前で別れるヒロインのリンドフォースの顔のアップがどことなくデスマスクっぽい収まり方で怪しいし、犬が後をつけてくるっていう前フリもベタで良い。倒れたレーガンに吠える犬が短いショットの連続で、狂ったように執拗に捉えられる異様な転調の仕方もやばし。一回倒れただけで全身砂まみれになっちゃうケレン味も最高。
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