mh

ワルシャワの悲劇/神父暗殺のmhのレビュー・感想・評価

-
ポーランド民主化運動の中心となった独立自主管理労働組合「連帯」と関係が深かったイエジ・ポピエウシュコ神父が殺された事件が題材。
1984年と比較的最近の出来事を、1988年というポーランドの民主化がまだ終わってない時点(のフランス)で制作されてる。
1989年にポーランド初の自由選挙が行われてそこで「連帯」が大勝利するとのこと。この映画が選挙結果に影響を与えたかどうかはWikipediaに書いてない。
日本のWikipediaはもちろん、どの言語を覗いても2スクロール分ほどとこの映画についての記述はごくわずか。
神父が亡くなったことで民主化運動は盛り上がりをみせるけど、共産党支配は終わらないというシニカルエンド。
2021年にいる僕らにとって、ポーランドは民主国家。神父の死にも意味があったとなってるわけで、このあたりの認識の違い・ズレも面白い。
神父をクリストファーランバート。権力が弱まりつつある秘密警察の幹部をエドハリス(翌年「アビス」に出演)、その部下をデビューしてから間もないティムロスが演じてる。
監督はアンジェイワイダのお弟子さんで、いまや巨匠とっても差し支えないアニエスカ・ホランドのデビュー作。テーマ曲はジェーンバエズが書き下ろしててなにからなにまで超豪華。
なのにDVD化されてないのはなんでなんだぜ?
渋谷TSUTAYAにVHSがあって良かった。
同監督のコメディ色の強いホロコーストもの「ヨーロッパヨーロッパ」とかもDVD化されてないんだよね。なんでなんだろ。
更年期障害とおぼしき精神的な不調を抱えている妻とか、犬に好かれるエドハリスとか、その服いいね!フランス製だとかいう会話などなど、細部もよかった。
ずさんな(まぬけな)殺人ものとして見ても面白いので、見られる機会があったらぜひとも。
mh

mh