ポップと水玉

ベルイマン監督の 恥のポップと水玉のレビュー・感想・評価

ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)
5.0
切り返しショットを使わない会話シーンが異様。向かい合う一方がずっとカメラに背を向けている。他のシーンでも、完璧な構図を固定カメラでやや遠くから捉える長回しが見事にキマっていた。その一方で、人物を近距離から移動しつつ追っていくショットも緊張感にあふれている。市長が逮捕されたときの、カメラをぐるっと回すような撮り方なども面白い。前半は爆撃シーンが素晴らしく、海辺に逃げるところは怖さと美しさで鳥肌が立つ。戦争の狂騒と、その合間に訪れる静謐さの対比も見事。そして生と死の双方からはじき出されてしまったあのラストの、根源的な静けさと恐ろしさ!傑作。