くまたによしみつ

ザ・バニシング-消失-のくまたによしみつのレビュー・感想・評価

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)
4.3
悪魔を見た とは対照的だなと思った。どういうプロセスで誘拐するかというのを ここまで丁寧に描いた作品は観たことがない。
偶然の積み重ねによって事態が起きてしまうのだが、作品全体を観ると必然的としか思えない。
死へのピタゴラスイッチという意味ではファイナルディスティネーションシリーズも想起させる。
復讐心よりも好奇心が上回ってしまうところがフィクションでは珍しいものの、いかに失踪した彼女に対して誠実でいられるかということを貫けるかという部分が肝であり、犯人が思春期にベランダから飛び降りたように主人公も普通ではない選択を決断する意味では表裏一体とも言える。
この映画を観ないという決断は普通かもしれないが、観るという決断をしている時点で もう普通ではないし、何か運命が変わり始めてるのかもしれない。という気持ちにされてくれるような映画。
これが恋愛モノだったらすごいロマンチックなのになあ。