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ジョン・カーペンターの 要塞警察のadeamのレビュー・感想・評価

4.0
当時まだ20代のジョン・カーペンターが放った傑作アクションスリラー。
建物に立てこもり外敵と戦うプロットは目新しくなくシンプルそのものなのですが、ホークスやヒッチコック、ロメロといった巨匠たちの50〜60年代の作品をうまく吸収して独自のスタイルを既に確立しています。
中盤以降意図的に没個性化されたギャングたちが暗闇の中からじわじわと忍び寄って来る恐怖演出は実に映画的で、何を映し、何を映さなければ観客にどんな感情を抱かせるのか、若くして心得ているカーペンターの演出は驚異的でした。
アクション、ロマンス、ユーモアと娯楽作品として期待される要素を程良くミックスさせるバランス感覚も素晴らしかったです。
低予算であることが如実に影響してしまったクライマックスの地味さが残念でしたが、締め方がスマートで良かったです。
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