迷いのない動きというか、あらかじめ知っているかのような動き。ここに出てくる人たちはブレッソンの作り上げた世界の中で操られているんだと、何本か観てぼんやり思った。だから「運命」みたいなことばはブレッソンの作品には存在しなくて、シャルルは何をどうしてもあの結末にいたるのだけど、自分じゃなくて他人にさせることが唯一の抵抗かもしれない。相変わらず手脚は分からん。終始ただよう緊張感は圧倒的な画面の構成美にある。書いてたらなんだか観直したくなってきた。『第三世代』の冒頭だし墓場もオマージュらしい。もう一度観ないと。
死に向かうことは生を支えてくれる。