カウボーイと僕と惑星

風の中の牝鷄のカウボーイと僕と惑星のレビュー・感想・評価

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)
4.2
これは凄い。喜劇の作家小津安二郎の視点を斜め横にすると悲劇に変わる。本作はもはや恐怖映画だ。男性主義が根深い格差社会に飲み込まれる田中絹代演じる時子。悲しいだろう、70年以上たった今も、さほど変わらない光景だ。彼女が随所に見せる形相に何度も戦慄する。黒沢清が自身の作品に影響を挙げる本作のラスト、夫の背後にとてつもない虚無を感じた。