内モンゴルの冬休みの最後の1日を描いた作品です。
中国の詩人であり映像作家でもあるリー・ホンチー監督(李紅旗)の三作目の映画作品です。この後はフィクションではなくドキュメンタリー作品を多く手掛けているようです。
本作もストーリーは特にありません。休みの最後の1日なのですが、非常に退屈な日常に何か変化があるわけではありません。野菜売り場に新しい女の子が入ったから見にいこうとか。別に美人じゃないよ。外から来たから珍しいだけだよ。
固定カメラによるロングショットによるバランスの取れた構図はウェス・アンダーソンっぽくもあり、会話のモンタージュは小津安二郎っぽくもあります。日本の映画監督だと福間健二監督もそうですが、詩人の監督は言葉に頼りがちです。絵的ではなく、詩的なんです。しかし、リー・ホンチー監督はとても絵的です。温かみはなく、乾き切った人間関係。そこにある生活をそのままに(美しい構図で)捉えるだけです。