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北北西に進路を取れのnanamiのネタバレレビュー・内容・結末

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ワクワクの教科書。
なぜか狙われるスーツのダンディ、逃亡中に出会う謎の美女

第一幕が狙われる男編。完全なる人違いで巻き込まれていくだけなのに面白いし、怪しい男たちからどう切り抜けるのか怖くて面白い。クライマックスでタウンゼント氏がナイフで刺されて容疑者になるシーンの勢いが楽しい。開始40分で狙われる謎が一旦は明かされるの早いなと思ったけど、狙う男たちの動機も一応謎のままだしダンディが追われる身になるという新たな課題がある。何より、存在しない男に間違われた、というのが謎のオチとして面白くて見続けちゃう(本当に勘違いであり完全な巻き込まれ事故で不憫なダンディ)

第二幕は謎の美女編。ケンドールさん美しすぎてずっと見ていたい。仕草や目線がとても色っぽくて翻弄されたい。追われる身なのに、あからさまに怪しい美女の誘いが断れないダンディ。食事の席で煙草の火を消すシーン一番ドキドキする。さすがに峰不二子のような第三極というわけではなく、もちろん敵の手の内の美女なんだけど、やはり美女なので翻弄されるダンディを楽しむ第二幕。別れ際でケンドールさんの何か言いたげな目線、敵を恋に落とすダンディ。飛行機のシーン胸熱。一般人なのにジェームズボンドで切り抜けてしまう。爆発でクライマックス。

第三幕は敵との再会編。ケンドールさんの衣装が素敵…。オークションって何か起きる場所としてかっこいい。魚人島もヨークシンもかっこいいし。逃げるダンディの機転とか、逃げられたと思いきや空港に連れていかれるのとか、「どうなっちゃうんだろう」の連続。撃たれるダンディにはびっくりしたけど、これも騙され。この辺からなぜか若干だれてくる。大体謎が明かされてしまったからなのか。ダンディが何か分からない力に巻き込まれるほうが面白いという謎。謎の組織に追われて切り抜けるハラハラとか、ダンディがかっこいいと思える見せ場とか、物理的なアクションシーンがあるとまた違うのかもしれない。

第四幕がついに結ばれる二人編。謝りたかったケンドールさん素敵。ラストは結ばれることが再確認される。銃を向ける右腕の男、仲間割れかと思いきや空砲。マッチ箱が敵に拾われてしまうヒヤリ。まさかの家政婦に見つかって(家政婦が冷静ですごい)、急に登場するダンディと冷静だったケンドールさんの勢いある逃亡。ラシュモア山の撮影危なすぎて怖い。ライオンキングのあれ。最後はあっさり結ばれている二人で一気に終わる。ロマンチックにはならずにあっさり終わった。

「XXXと思いきやAAA」が何度あったか分からないけど、こういうのを無限に生み出したのがサスペンスの巨匠たるゆえんなんだろうな。
後世になると、より敵が魅力的になったり、アクションシーンがかっこよくなったり、美女の謎が増えてより共感性高くなったり、とあの手この手で面白さが進化していくんだろうなと思った、その始祖という位置づけでいいのかな。

その他
North by Northwestっていう原題が口ずさみたくなる感じでかっこいい。
冒頭に映るヒッチコック様ににっこり。
御年60歳の時の作品と思うとケンドールさんが26歳なの嫌だなと思ってくるけど、世の常なんだよなあ
上映時期はめまい(1958)の後、サイコ(1960)、鳥(1963)の前なんですね。1年に1本ペースというのを知って驚愕。
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