Arsenyevich

北北西に進路を取れのArsenyevichのネタバレレビュー・内容・結末

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ヒッチコックの得意とする巻き込まれ型映画の一つ。
物語序盤までの不条理劇は、その後数々のサスペンス映画で世襲されたであろう展開と、テンポの良い小刻みなカット割でグイグイ引き込まれる。
がしかし、キーとなる謎の女性が登場してから、物語の密度は失速。
よくあるB級映画のような軽い構成に転じ、緊張感から一転、間延びしてしまう。

味方なのか、敵なのか。
その二面性は極めて魅力的なんだけど、
結局はラブコメかい!という安易な印象しか残らず、堅実なストーリーが凡作に移り変わる様も、よくある展開と言えば、それまで。

農薬散布の飛行機に追いかけられるシーンは、スピルバーグの「激突」のような恐怖がありスリル満点。
相手が誰か分からない、未知のものに追い詰められる演出が、見事だな。

ただやっぱり2時間は長い。
作品にもよりけりだけど、
この手の類における良質映画の鉄則は90分だなと、個人的には思う。
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