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北北西に進路を取れのARANのレビュー・感想・評価

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)
4.0
ヒッチコックの傑作ラブサスペンス。
ソウルバスによる斬新なOPから取り込まれた。
現実のビルに重ね合わせるようにこれから始まる複雑なストーリーを暗示させてる。
暴力的でありながらユーモアも上品さも兼ね備えてる。序盤の展開に少しモヤモヤが残りつつ物語は進んで行くけど徐々に明らかになっていく洗練された脚本。悪役のジェームズメイソンの屋敷での初登場シーンでの照明の使い方がより謎めいた気味の悪さを出してる。悪役が魅力的だとより面白い映画になるなーと再確認した。
列車での二人の会話のシーンだけでも上品なラブストーリー的要素を完璧に満たしてる。 ビフォアサンライズのイーサン・ホークとジュリーデルピーの列車の会話シーンは多分ここを参考にしてるのかな。すごいドキドキした。
周りに何もないバス停で一人の男がただ立ってるセリフも特にない約6分間のシーンなのにこれから何が起こるかハラハラしてくるあのシーンは特に好き。
あとはエレベーターでの爆笑シーンも良かったし、競りの会場からの逃げ方とかもめちゃくちゃ好き。悲劇的な状況の時こそユーモアを忘れないヒッチコックのサスペンス。ラストシーンの二人が抱き合って列車がトンネルに入っていくのはこれからセックスする暗示かな?ヒッチコックって絶対変態だよね。
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