《のぼるロジャーさん》
ヒッチコック作品初鑑賞です!笑
広告会社に務める宣伝マンのロジャー・ソーンヒルは、NYのレストランで偶然同じ場所に居合わせたがためにキャプランという男と間違えられ謎の組織に追われる始末を描いた超大作。
ヒッチコック作品を初めて鑑賞した感想としては、
これがヒッチコックの世界観なのか…
という崇拝の念と共に
どこか映画という枠組みを超えた世界観を感じられました😌
サスペンス、恐怖、逃亡劇、ロマンス、
様々な要素が含まれているはずなのに物語としては渋滞しない簡潔さとテンポの良さ。
序盤は物語の全貌が全くと言って良いほど掴めないが、
わからないからと言って不安になる必要はなく、物語の流れに身を流すだけでOKな映画だと思います。笑
(実際にロジャー・ソーンヒルを演じたケイリーグラントでさえも、最初は自分が撮っているものが何が何だかさっぱりわからなかったそうです。笑)
ヒッチコックは観客の感情を揺さぶる描写がかなり精巧だったと感じました。
トウモロコシ畑でのシーンは不安を煽られまくったのと同時に、なんだこれは笑!と笑いが出てしまうような興味の惹きよう。
伏線の使い方も完全に裏を突かれてお見事としか言いようがなかった。
映画にとって、伏線は非常に重要な鍵の一つだと個人的には考えているのですが、
伏線を意識しすぎな故、
逆算して見え見えな伏線であったり
明らかに不自然だったり、
あざとすぎる伏線だったりと
伏線の使い方として安易すぎると萎えてしまうことって少なくないんですよね。
それゆえ、本作は意表を突かれたというか、
小技でお洒落な回収だったなと感じました。
そして個人的に一番"巧い"と唸り声さえもが上がったのがラストシーン。
若干のネタバレを含んでしまいますが凄すぎてどうしても紹介したい描写だったのでネタバレ気にならない方は読んで頂ければなと思います。笑
ラッシュモアからジャンプカットし
主人公ロジャーがようやくイヴを手にし一緒に汽車駆け落ちしたシーン。
ベッドでキスをし汽車がトンネルへ入りめでたしめでたし。
で、単純に見れば一見普通の終わり方ではあったのですが、
実はヒッチコック自身
「私が撮った中で1番猥褻なシーンであった」
と、語っていたそうです。
つまりどういうことかと言うと、
「トンネルへ入っていく汽車」こそが
男性と女性のシンボルを表した隠喩だったとか。
これを聞いた瞬間、ヒッチコックのもつ感性の豊かさに鳥肌が立ちました。すげぇや…笑
ヒッチコック一本目が本作でかなり面白かったので、
是非他のおすすめヒッチコックあったら教えてください!