何かすごいモノを観たという印象。
修道院VS悪魔という大雑把なストーリーながら強烈なビジュアルインパクトで目が離せない!
まず修道女たちの白い修道着が血で滲んでるのを包帯でグルグル巻きにしている様な悪夢的なデザインにやられた。
礼拝堂の数十体連なる磔のキリスト像のセットデザインもどうかしてる。
巨大なシャンデリアの燭台はロウがほとんど溶けてツララ状態で修道院という建築物というより洞窟のような有機的な空間。
ジュスティーヌとアルカルダが悪魔の囁きに耳を傾けた事で大惨事になるのだがとても妖艶な儀式がエロティック良かった。
悪魔祓いはそこまでの淫靡さは無かったが、神父と修道女が自ら身を清めるためにムチ打ちをするのは新鮮だった。
血が滲んで皮膚が裂けても精神を悪魔に乗っ取られまいとする強い意志を感じる。
2人が悪魔に取り憑かれてからは物語を引っ張るのは医師の先生なのも良かった。
科学的な立場からの意見で本当に悪魔祓いなのか、単なる殺人では無いかというモヤモヤをクリアにしてくれる役回り。
先生の娘も人質になる事でより物語に介入しビジュアルだけでなく物語も立体的に浮かび上がる。
血で満たされた棺から変わり果てたジュスティーヌの復活も恐怖とエロさが絶妙なハーモニーで素晴らしい!
冒頭では真木よう子に似てるなぁと思っていたが闇落ちした顔はベッキーに見えた。
登場時は小悪魔っぽい可愛らしさのアルカルダだがすぐに悪魔サイドに堕ちた表情や芝居が素晴らしい。
あの目つきや暗黒舞踏のような柔らかい身のこなしに白い肌は悪魔的な魅力。
ジュスティーヌと違い一貫して黒いドレスなのもイイ。
70年代ならではの空気感で無ければこの様なエネルギッシュな作品は生まれてこないであろうパワーがこのフィルムにはある。
悪魔のサバトを野原でやりフリーセックスを彷彿とさせるのも当時のヒッピー文化と悪魔崇拝がごちゃ混ぜになった時代を感じる。
こんな凄い映画があるなんて知らなかった!