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ロジャー・コーマン デス・レース 2050のGijoeGoのレビュー・感想・評価

3.7
追悼ロジャーコーマンで鑑賞。

デスレース2000とステイサム版を鑑賞済み。
2017年公開とは思えぬレトロ&チープな作風がグッときてたまらない。
逆にその空気感が一種のグルーヴとなって独特の雰囲気を醸し出している。

キャストも時計仕掛けのオレンジのマルコム・マクダウェル以外は全く知らない安っぽいキャスティング。

ストーリーは増えすぎた人口をデスレースで間引くという狂った内容。
それ故に登場人物皆どこかネジがぶっ飛んでいる。
1番クレイジーかと思われたレースに取り憑かれた男フランケンシュタインがまともという異常事態。

ロジャーコーマン製作だけに過剰なサービス精神によるおっぱいとお尻が雑に随所に挟まれて間が持つ。スピーディーな編集とテンポの良い脚本で全くダレず楽しく鑑賞させるパワーは見習いたい。

時折りハッとする台詞や反体制、反宗教などの社会派メッセージも込められていて見応え充分。

♪ドライブ、ドライブ、キル、キル♪などのキャッチーな歌やカジュアルに人を轢き殺すグロ描写もチープ故に嫌味がない。人間の軽く轢いただけでアッサリ死ぬ耐久力の無さも後腐れなくて良い。

レースカーがどれもカッコ悪すぎて一周回って変な魅力がある。これといった武器も無い潔さ。

早々にマスクを脱ぐフランケンシュタインは常に汗びっしょりでパートナーのテロリストの女性はキャメロンディアス似で脱ぎ要員かと思いきやシャワーシーンでも乳首も見せない。
その辺は近代的価値観で無駄に脱がない信条なのか。

冒頭とラストに力を入れろというコーマンスピリッツはしっかり受け継がれていてB級C級作品ながらリッチな絵作りに感心した。
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