爆裂BOX

序曲・13日の金曜日の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

序曲・13日の金曜日(1981年製作の映画)
3.3
男性器を刃物で抉られる殺人事件が発生。森林警備員ロイの制止を振り切り山でキャンプを楽しむ若者達は一人、また一人と姿を消していき…というストーリー。
タイトルに「13日の金曜日」とついてますが、あちらとは全く関係ないキャンプスラッシャーです。山の中でキャンプする若者達が大男の殺人鬼に襲われるというストーリーからつけたんでしょうが、制作年は「13金」より前。だからか、タイトルに「序曲」とつけたんですかね。DVDは「13日の金曜日 序章」に変更されてます。監督はゲロゲロミミズホラー「スクワーム」のジェフ・リーバーマン。
内容は「キャンプに来た若者達が襲われる」以上の物はなく、冒頭で殺人シーンがあった後は前半はキャンプを楽しむ若者達の様子が描かれてテンポはゆっくり目ですが、教会の屋根に空いた穴から覗き込んでいる殺人鬼や、滝壺でイチャつくカップル越しにゆら~と現れる殺人鬼や松明一本の明かりに照らし出される背後の死体などセンスのいいカットが不気味な雰囲気与えてくれます。水中で彼氏が体を触ってきたと思ってたら、彼氏はさっさと水から上がってたシーンもいいですね。
今作に登場する殺人鬼はジェイソンみたいなかっこいい見た目ではなく、汚い太ったオッサンで、割と最初の方から顔見えます。妙に高い笑い声が気持ち悪いですね。殺人に理由がないのも不気味。犠牲者の帽子やサングラス、カメラなどを盗んでいくのもなんか面白い。山に住んでる一家の会話からすると近親相姦で異常な子供が生まれたという感じかな。ある犠牲者に止めを刺すシーンでやけに移動速度が速くて、本家みたいに瞬間移動できるのかと思ったら、中盤過ぎに明かされる真実は新鮮でしたね。ちゃんと冒頭で伏線張ってるし。
ジョージ・ケネディが若者達に警告する森林警備員役で出演してます。それだけかと思ったら後半は馬に乗って助けに来ます。
最初頼りがい有りそうな感じだったリーダー格のウォーレンが終盤ドンドンヘタレていくのも面白かった。
そして見た人の脳裏に強烈に焼き付くラストのフィストファック死。爆笑しちゃいました(笑)彼氏のドン引き顔も(笑)正しくDVDの説明通り「映画史には残らないが、あなたの記憶に残る事、間違いなし!」ですね(笑)
「スクワーム」の監督にしてはグロ描写ほぼないですが、センスあるカットによる恐怖描写やあのラストなど、スラッシャー好きなら一見の価値ある作品だと思います。