猫脳髄

血の祝祭日の猫脳髄のレビュー・感想・評価

血の祝祭日(1963年製作の映画)
3.5
とうとう「ゴアのゴッドファーザー」ハーシェル・ゴードン・ルイスに手をつけてしまった。別にスプラッター好きというわけではないのに、起源を追ってて、とんでもないところに来てしまった。どうしよう。

何と2.45万ドルという超低予算で製作されたが、もともとヌード映画(まだ規制が厳しかった)で鳴らしたHGLのこと、限られた予算で何を見せるのかをよく心得ている。役者は超大根だし、撮影も凝ったところがない(撮影・音楽ともにHGL)。しかし、特殊効果はもちろんのこと、青と赤系統による色彩設計や、ゴアシーンに限ってじっくり見せるカメラワークなど、とにかく「血の量」をどう印象づけるかに全振りしている。

67分という短尺で、ストーリーも邪教崇拝者による儀式性の連続殺人というシンプルかつリニアで、ペーソスもへったくれもない。局所的な見せ方はポルノグラフィにも通じ、ゴア作品がエロとセットになりがちな原型を見せている。

間違いなくくだらない部類に入るが、ある種の爽快感をまとっておりクセになるかもしれない。近いうちに「2000人の狂人/マニアック2000」(1964)、「カラー・ミー・ブラッド・レッド」(1965)も見なければならない気にさせる。
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