kyon

恋愛アパートのkyonのレビュー・感想・評価

恋愛アパート(1951年製作の映画)
3.5
とあるアパートの大家夫妻を中心に描かれるオムニバス形式の作品。モンローのジャケットが印象的だったけど、モンローは”お色気担当”って感じの脇役の1人。

90分くらいなんだけど、
大家夫妻のアパートの切り盛り、
モンロー演じるロバータが入居したことで起きる恋愛コメディ、
熟年結婚する男女2人(男性にはある秘密が…)がメインかな。

こういうオムニバス形式の面白さって訳わかんないような場面で急に伏線が繋がったり、予想を超える形で登場人物たちが繋がったり、台詞や行動が展開にリンクするような、構成の強み、みたいなものだと思う。

『恋愛アパート』はラブコメの体裁は取りつつ、女性映画みたいな側面も持っていて、脆いアパートの設備ゆえに、修理したり、トラブったり…。
作家である夫のためにアパートを購入した妻、なのに夫に嫌味を言われたり、アパート維持費が足りなくなったり、ちょいちょいリアリティを挟んでくる。

多分この作品観て、結婚願望抱く人は少ない気がする笑

モンローも、綺麗だし垢抜けて洗練はされてるんだけど、こう、お色気キャラ以上の本領を発揮していないというか、まだまだいけるよねっ!?君の実力はそんなもんじゃない!!って言いたくなるような印象。

中盤には水着、ラストの方にはランジェリー姿、バスタオル姿、とお色気むんむんでサービスショットは満載なんだけど、おすましキャラなんだよね。パリからやってきた軍勤務経験者の女性で、それこそモンローが「良い女」を装っているような感じ。
そりゃそうだ、映画における「マリリン・モンロー」が生まれるのはもうちょい先。

モンローの魅力を考えると、
やっぱり無計画に見える計画された白痴性だな。

え、私知らなかったわあ(きらきら)みたいなうわぁそれは嘘だよ、嘘だ…あ、この子本当か!ってスクリーンで信じ込ませちゃう女性。

憎めないよね、なんか知らないうちにコミュニティ内をかき乱しながらも、あれ?私が原因?みたいなある種の天然さ。

モンローに何かを「狙った」属性は、っぽすぎるのかな。


この作品自体はラストにかけて笑うくらい伏線を頑張って回収して、ハッピーエンド一択!!みたいな空気感が当時のハリウッドだなと体験します。笑
kyon

kyon