このレビューはネタバレを含みます
冒頭の音楽がもうオタール作品。
セリフの少なさ。ワンカットの長さ。
視線も会話のうち。
壁のネズミみたいな絵。
母と妻と息子と暮らす。
喫煙者たちと、工場の禁煙マーク。対比。
溶接工として、有毒廃棄物を扱う工場勤務をする男(ヴァンサン)の一日。
車に乗り込む時、靴をはきかえる。その後はトラムに乗って通勤。
制御室にて、うっかり女性がおしりでボタンを押すことで危うく事故発生。
ポケットの発火。
青、緑、赤の水。
息子からは、邪険にされる。それぞれ、何かに夢中な様子。
男の趣味は絵を描くこと。
息子と友達以上恋人未満の女性。歴史と化学。
上手くいかない恋。
夫が横で眠りについた途端にテレビをつけ、見始める妻。
下の子に寝る前の読み聞かせをする祖母。
職場の前までいくが、引き返し、丘の上で一服。
お向いは何だか揉めてるご様子。そのうちで働く黒人は、お爺さんを車椅子で運ぶが、途中で手を離す。
壁に飾られたロートレックらしきイラスト。
罪の告白。
お向かいのマダムは協会で壁画を描く男の長男が会話をする。前衛的な姿勢で絵画制作。息子の趣味は父親譲りか?覗きばかりしている神父。
一方、次男の方は、メカオタク。
車椅子に乗っていたはずのお向かいのおじいさんは、突然立ち上がり車椅子を捨て、歩きタバコを始める。
墓守の男。蛇を捕まえる男。
音楽隊らしき人々は、よそ者の流れ人。
よそ者に警戒心MAXな地元民たち。
ワニを素手で抱えて運ぶ娘たち。シュール。
忍び寄るワニ🐊それを見つけた神父。
自転車を借り喜ぶ次男と、貸したことを知り父から怒られる友だちたち。そして、知らぬ間に自転車を回収される。
教会にて、長男に詩の代筆を依頼する黒人の男。
牛に羊にヤギに。
勝手に開封し、他人の手紙を盗み見る郵便配達員。恐らく、求婚の手紙を見て密かに微笑む。
一向に帰って来ない夫を探す妻。
街で喧嘩を止めようとして、殴られる男。
虫の息な男の親父。
親子2人だけの秘密の会話。
父の死を望むおばたちを追い払う。
旅をするよう息子に伝える父と、父のつてで、旅に出ようとする男。
家で銃をぶっぱなす。
飛び込みで入った店で陽気な男たちの飲み会に加わる。
破れた袖はいっそ、引きちぎる。
悪酔いし、トイレで吐く男。
解放してくれたのは女装して働く知り合いの男。そのままその旧友宅に訪問。
大きなネズミが机の上に。旧友にとっては、大切な友人らしい。それを男の肩に乗せる。
翌朝、列車に乗りどこかの街へ。ヴェニス。
車内でご婦人と出会い、運んだ先の船乗りの男と知り合う。
見知らぬ街。
水上タクシー。街での演奏。
顔だけ空白の自画像。
思い思いに街中で絵を描く人々。
モーターボートで散策。
途中、頭上の窓から子どもに唾を吐かれる。
父の友人宅には、路上で売られていた即席顔ハメ自画像が笑
ピアノも弾けないのに、スピーカーで音楽を流したり、妻に家政婦のふりをさせたり。
わざわざ演出をしてから、男を迎える見栄っ張りな父の旧友。雰囲気だけ笑笑
外まで口喧嘩が響きわたり、結局バレバレ笑
水辺で開かれた宴。
ワインの飲み方について。
子どものしつけについて。
みんなで水上の生垣から、清掃中のシスターたちの生脚を覗き見。
屋根の上で酒をくみかわす。
地元民だけが知る最高の景色をプレゼント。
家で女たちは働き、男たちは飲んだくれる。
代わりに男たちは早朝から働きに出る。
片付けられていくテーブルの上。
回すと水が出てくる特殊な水道。
大きな船。
手紙だけは送り続けていた。
が、妻は激怒し手紙を毎回破り捨てていた。
地中に埋めた何かを掘り返す母。
僅かな隠し金であった。
男が家を出てから厳しくなる一方な家計。
仮装をし、壁画と同じ写真を撮る子どもたち。
パラグライダー中に見つけた久々に帰宅する父の姿。
ついに、黒人青年と彼女の結婚式が開かれる。
その晩、恐る恐る帰宅する男。すっかり垢抜けた服装の
錆びきった愛車。
帰宅早々、妻には愚痴られる。そりゃそう。
2人してタバコを吸う。
その後、母、子どもたちの順に顔を見せる。
久々の出勤の朝。
洗車し、マフラーを巻く妻。
夫を見送った後、微笑み合う妻たち。
変わらずもくもくと煙を吐き続ける工場の煙突。
思いつきの旅に出る、
無責任だが自由と身軽さを取り戻した男。
初めは無愛想気味だった男に、旅をする中で陽気さと笑顔が見え始める。
人生には、旅に出たくなる時がある。
そして、旅はいつか終わり、日常が戻ってくる。