EDDIE

ダージリン急行のEDDIEのレビュー・感想・評価

ダージリン急行(2007年製作の映画)
3.9
バラバラだった三兄弟。心の旅に出ることを目的にインドを列車で旅する。
トラブルや喧嘩の連続で、個性的な3人のキャラクターにクスリと笑わせられることばかり。
苦難を乗り越え絆を深めていく過程と“オー・シャンゼリゼ”の音楽に感動。何気にキャストが豪華。

カレーと映画が趣味の友人が開催したイベントにて、その友人の披露するカレーを食し、カレーにまつわる映画を観ようというイベント。
厳密には本作はカレー関係ないんですけど、インド映画ということで。さらに厳密にいえば製作はアメリカだけどほぼ全編にわたりインドロケで撮影したという珍しい作品です。

しかも三兄弟がオーウェン・ウィルソンとエイドリアン・ブロディとジェイソン・シュワルツマン。
似てるとか似てないとか置いといて、すごい三兄弟だと。
同じウェス・アンダーソン監督の『グランドブタペストホテル』でも共演した3人ですね。

急行列車に走り乗るというダイナミックなシーンが印象的ですが、カメラを同じ場所に固定して別の演者に次々とフォーカスしていくワンカット撮影の手法がとても面白い作品でした。
長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)が喋ったら、次は次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)、次は三男ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)という具合にです。
カメラの焦点が切り替わるたびに脳みそも切り替わっていく感覚が味わえます。なんだかとても気持ちいい。

3人ともとても個性的で本当に変わり者。まぁ3人の中でピーターはそれなりにまともかなぁ。けど、列車の中でパンツ一丁で動き回ってるしな…。
長男フランシスはもう思考回路がイカれてます。兄弟間でも「あいつはやばい」状態ですからね。
三男ジャックは小説家なんですが、元カノのことが忘れられません。だけど、列車の中で出会う美人インド人女性とヤりますからね。
三者三様で3人ともヤバいやつです。

だけど、そんなイカれた三兄弟が旅を通してしっかりと成長していくし、何よりもそれぞれのことを尊重するようになっていくんです。
自分勝手な3人でしたが、人を信じる、兄弟や家族を信じるということができるようになっていくんですね。
そこまでの過程がとても良いです。きっかけが一つの自己犠牲というのもとても良いです。

そしてラストの“オー・シャンゼリゼ”の流れるタイミングが絶妙。
良い映画を観ました。

※2021年自宅鑑賞169本目
※Twitter相互友人主催のカレー&上映会にて
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