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黒い書類
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『黒い書類』に投稿された感想・評価

3.4
1955年のアンドレ・カイヤット監督作品。彼はマルク・アレグレ監督『俳優入門(1938)』やジャン・グレミヨン監督『曳き船(1941)』の脚本で映画業界に進出する前は弁護士であったという異色の経歴の持ち主である。1943年にゾラ原作の『貴婦人たちお幸せに』で監督としてデビューするのだが、特に1950年代は彼の法律家としてのバックグラウンドを活かした作品を連発する。
『裁きは終わりぬ(1950)』では病に侵された恋人を安楽死させた女性についての法廷劇であった。気まぐれな陪審員たちによって左右される法制度へ疑問が投げかけられている。『われわれはみな暗殺者(1952)』は第二次世界大戦中にレジスタンスとしてドイツ人を殺すことを訓練された男が戦後も人を殺し続け、死刑を宣告される話。当時まだフランスにもあった死刑制度への異議申し立てとして作られている。これまでは法を犯してしまう人物を中心に司法を題材にしてきたカイヤット監督だが、本作『黒い調書』は地方に赴任してきた予備判事が主人公ということで法の番人側から法律や司法制度、捜査方法の不具合を描いているのが特徴である。

映画はランベールという判事の葬儀で幕を開ける。亡くなったランベールの後任としてランクールの駅に降り立ったのが若き判事アルノー(ジャン=マルク・ボリー)だ。駅前や町中の工事現場の多さが目立つ土地だ。工事のためのトラックには「ブサール建築会社」の文字があり、後の展開に絡んでくる要素の撒き方も上手い。彼はまず裁判所に行くのだが、建物自体が古く、階段の下には雨漏りを受けるためのバケツが置いてある。電話機も一台しかなさそうで、地方の裁判所の設備への言及などは経験者だからこその視点だろう。アルノーは前任者から引き継いだデュトワ事件という警察犬の毒殺事件をあっさり解決させる。しかし犬の飼い主デュトワ(アントワーヌ・バルペトル)から、アンドレという男が作った黒い表紙の書類の話を聞いたアルノーはこの町の深い闇を感じ取り、捜査を開始する。町の有力者ブサールの悪行が書かれていたその書類の行方は分からなくなっており、アンドレは37歳の若さで謎の死を遂げていた。自然死として処理されていたアンドレの遺体を墓地から掘り起こし、司法解剖すると毒物が検出される。殺人事件として地元の警察も捜査を開始するがデュトワの息のかかったフランコーニ警視(ノエル・ロックヴェール)は暴力的な方法で都合のいい容疑者を自白に追い込もうとする。
この事件はパリでも話題になっており、ノブレ警視総監(ベルナール・ブリエ)がやって来る。彼は人間関係など動機をしっかり調べており、アンドレの妻フランソワーズ(レア・パドヴァニ)とアンドレの兄ジルベール(ジャン=ピエール・グルニエ)の不倫を突き止め、そこから追い込んでいく。

若き判事アルノーの情熱がなければ、この町は有力者ブサールの思いのままになっていたはずなので、革命的な行動であった。後半、一つの事件に対して3人が別々のアプローチで捜査していく展開は斬新だ。暴力的な者、知的な者、情熱的な者、誰が真実に辿り着くかはなんとなく想像できそうだが、本作ではとんでもないオチも用意されている。捜査機関の怠慢を徹底的に描くのも元法律家のカイヤットの矜持だろう。
オチがすごい!事件を解明するのは難しいだろうがこんな風に冤罪が生まれることも、特に当時20年代は多々あったかも知れない。新人も経験者も冤罪を生みそうになった時、真相に気づいたらどうするか。正義感が勝って欲しい。
Le dossier noir.aka.Black Dossierr.1955_PARENTE