モモモ

GANTZ:Oのモモモのレビュー・感想・評価

GANTZ:O(2016年製作の映画)
4.0
劇場公開時にTOHOなんばで本作を観たんで思い出補正&感慨深さ増し増しだったんですが、そういった贔屓目を抜いて再見してみてもやはり面白い。
「GANTZ」の映像化としての決定盤。これがあるなら今までの映像化も(もしかしたら今後の映像化も)全てを許容する事が出来る。
原作からの取捨選択と改変が見事な脚本の力に支えられた一作だ。
多くの主要人物を捨てキャラクター間に生まれるドラマの核に焦点を絞り「個人至上主義の猛者達が凄惨な敗北を遂げていく中で献身的な思い遣りの心を持った主人公が集団で勝利する」物語にまとめ上げている。
欲を言えば風や大阪のイケメン性欲お化けの闘いをこのクオリティで観たかったが、それでは到底1時間半には収まらないだろう。
特に吸血鬼をバッサリ排除し、その役割を西くんに委ねた改変は本当に見事だ。
人外VS人間に始まり怪獣VS巨大ロボに人外(星人)VS人外(岡)まで魅せてくれる。
見事な難波、心斎橋の再現度だが劇中のロケーションは限られており予算内で最大限に演出するフルCG映画製作の教科書的作品にも思える。
スクエニ系映像質感の映像作品の中でも今尚ナンバーワンの面白さかもしれない。
原作ではなし得なかった「もう1つのハッピーエンド」が心に沁みる。映像化するなら、こうでなくちゃいけない。
早見沙織レイカやおじちゃん(シャア・アズナブル)も堪らないが大阪組の芸能人起用組が余りにも見事な演技をしていて感心してしまう。
折角ならば玄野主人公の1作も観てみたい物だが…。
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