狂王キシリトールヴィヒ2世

プリンス/グラフィティ・ブリッジの狂王キシリトールヴィヒ2世のレビュー・感想・評価

3.8
モーリスとジェロームこんな目くりくりだったっけ。すごくくりくり。プリンスの元気のなさもあいまってザタイムがめちゃくちゃ活き活きしてみえる。ジャムアンドルイスたちのステップかっこかわいい。プリンスの演技がこなれたのかなんなのかすごくダウナーで前二作の全力ウキウキ感がない。パープルレインを彷彿とさせる茶番イチャイチャシーンも短め。映像的にはかなり凝ってて照明とカッティングが市川崑ばりのところがあったり構図も面白いところが多かったり。パープルレインとグラフィティブリッジは共通してワンマン批判の映画で今作は少年のダンスシーンとかゴスペルシーンとか人を使ったミュージカルを試みてるけどザタイム以外はパッとしない。そもそもレコーディングで全部の楽器を自分で演奏するような完璧主義者でバンドを組んでみても解散して後に会社とも対立するような人がバンドメンバーとの絆や連帯を訴えるのは違和感がある。違和感しかないからこそこれが本当にプリンスにとってのグラフィティブリッジだったんだろうなって切ない。サードアイガールとかも出てくるわけだし。