EDDIE

イングロリアス・バスターズのEDDIEのレビュー・感想・評価

4.5
ドイツ、フランス、イギリス、様々な国が織り成すナチス復讐劇。やはりタランティーノは冒頭から映画の世界へ誘うのが巧い。

本作はもう10年前に公開された作品で、タイトルにもなっているイングロリアスバスターズを率いるアルド・レイン中尉をブラッドピットが演じております。あのブラピの達観したような仕草と発言なんなんですかね。佇まいがカッコよすぎます。あの独特の喋り方が彼の魅力をさらに引き立てていると言っても過言ではないでしょう。

ただ本作においてEDDIE的MVPはドイツのナチス親衛隊ハンス・ランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツさんです。
そういえば「アリータ:バトル・エンジェル」でもイド博士を好演していましたね。あまり意識して観たことない俳優さんですが、個人的には今後も注目していきたいベテラン俳優でした。
特に冒頭のフランスの田園地帯の酪農にて、行方不明のユダヤ人を探して家主ペリエ・ラパディットを尋問するわけですが、もうランダ大佐が不気味で不気味で…。ここで一気に引き込まれましたね。
このラパディットさんを演じたのも本年日本公開された「ジュリアン」で恐怖のDVパパを鬼気せまる演技で好演していたのが記憶に新しいドゥニ・メノーシェさんですね。本作でも平静を保ちつつ、ランダ大佐の尋問により心の余裕を失い涙まで流すまでの感情、表情の変化が絶妙に巧かったですね。素晴らしい俳優さんだと思います。

あとは、ラストのショシャナの復讐劇として使われるニトロセルロースフィルムを使った火災というネタも良かったですね。本作でも当時の燃えやすいフィルムについて丁寧に解説がされるのですが、先日「ニューシネマパラダイス」を鑑賞していただけに、「なるほど、そういう戦略がとれるのか!」と感心してしまいました。

クライマックスに至るまで様々な仕掛けがなされており、それを最後タランティーノ独特の演出である意味暴力的に解決していく様は観ていてスッキリします。

ショシャナを演じたメラニー・ロランは美しい方ですね〜。「グランドイリュージョン」や「複製された男」にも出演していますが、今年公開の彼女の監督作「ガルヴェストン」も凄く良かったです。
ドイツ人人気女優ブリジットを演じたダイアン・クルーガーも流石の美しさと存在感。先日観た「マーウェン」では最後まで彼女が出ていたことに気づかなかったので、久しぶりに彼女の出演作を観た気がします(笑)

やはりタランティーノ監督作品は長いですが、一気に引き込まれてしまうので長さも決して苦ではないですね。本当に面白かったです。

◆2023年8月13日再鑑賞

何を思い立ったか急に再生ボタンを押したんだけど、152分もあるのにめっちゃ観入っちゃった。なんなら初見よりも楽しかった。
Filmarks4.0だったけど、4.5に上げます。
ラストの方のメラニー・ロランとブラピそれぞれ最高なんよ。ヴァルツは言わずもがな。
EDDIE

EDDIE