レーサーを目指す男がギャングに認められ依頼をこなす事になるスティーブ・マックイーンの息子チャド・マックイーンにマイケル・マドセン、ジャン=マイケル・ヴィンセントら主演のカーアクション。

冒頭、父のスティーブの「ブリット」と同じ型のフォード・マスタングで疾走するチャド演じる主人公。パトカーに追われるもマスタングを駐車されてる車にバックでぶつけ、ボコボコになったマスタングでそれを押し路地を塞ぎ逃走成功というあまりスマートでないやり方を披露した所から少し悪い予感が。

次はフェラーリ・308を盗むも上手く操れないのか芝生の上をぐるぐる回ればカーチェイスも空撮こそあれど低速で、レーサー志望らしい華麗なドラテクを見せることもなければ追いかけてくるポルシェも運転が下手なのかあっけなく池に水没。

その後もシボレー・コルベットZR-1や色まで「ブリット」と同じになったマスタングでカーチェイスを繰り広げ、序盤よりはスピード感は上がり「ワイルド・スピード」でも見たような坂を下る辺りは使う車も相俟ってそれなりにテンションは上がるものの、車の全体を映さないまま発生するカークラッシュは状況が分かりにくく主人公もこれといった活躍も無く気付けば終わってました。

BGMも緊張感に欠け、VHSのジャケにはマイケル・マドセンが大きく写っていましたが登場するのは最後の30分位のみというのも減点対象か。とは言っても車の周りを何度も回るカメラワークはこの手のB級作品にしては凝っており、撮影直前に事故に遭い顔に傷を負ったまま出演したことで妙な凄みを感じるジャン=マイケル・ヴィンセントのビジュアルはそこそこ強烈、子役スターのコリー・フェルドマンに「マニアック・コップ」シリーズのロバート・ツダール、「キャノンボール」のドム・デルイーズ、アンディ・シダリス監督作品でお馴染みジュリー・ストレイン（ヌード有）等B級映画ファンなら既視感有る面々が数多く出演と見所もそれなりに（コリー以外全員故人なのが残念ですが）。

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