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飢餓海峡のボックボックのレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
3.0
※ネタバレ含みます※

ずーーーっと昔から見たかったけど、見るまで〇十年かかった映画。
正に終戦のドサクサという環境がモノクロ映像、荒っぽい画質などすべてにおいて具現化されています。
ストーリーそのものが、正にドサクサをプロットにしてるので、前半の展開のグイグイっぷりはさすがです。

伴淳さんの演技もバッチリ、あんなことが実際に会った三国さんもすばらしい。
ところが・・・・

後半、終始好演の左幸子さんが訪ねて行く辺りから、急にむむむな展開に。
そもそもそんな秘密のある人が新聞に出ちゃダメなんでは?
どこで昔の悪事が露見するか、そんなリスクを負わないはずだという疑問を越えて、話が展開。

で、さらにそんな不利な環境で左幸子とあんなこと。
さらにさらに書生も????

この辺りで、前半の緻密でリアルな展開が急に、むむ(正直に言えば陳腐)になります。
高倉健は藤田進など重厚な俳優さんに比べ、何とも棒演技。
後年のイメージは全く無いです。(そーゆー役なんで問題ナシ)

さらに事態が展開した後の証拠??まだDNA鑑定とか無い時代だけど、そんなに物的証拠として証明できるもんなんでしょうか?
血液型程度までは追えるだろうけど、犯人のものだと断定できるのかなーと終始疑問。
さらにクライマックス。
その犯人を「泳がせろ」って、強引すぎないか。
結果として、割とありがちなオチに。


とにかく戦後ドサクサの雰囲気とモノクロ映像の説得力がすごいです。それだけに、後半の盛り下がりは、まあ、しょうがないのかな。
ちなみに「3」は全然けなした評価ではありません。
私は好きでは無い映画は基本1か0なので。