人知れず愛する〇〇〇ンと快楽の儀式を行う男が狂気に染まってゆくサイコスリラー☆
このアンソニー様、自然体でとっても好き♡
本当にハンサムだし素敵なおじ様だわぁ♡
ドキドキしちゃう♡
『ジキルとハイド』や『サイコ』シリーズなどに比べて役どころに変態性やクセが感じられなくて、落ち着き整った大人の男性という印象。アンソニー様自身がもつ本来のオーラ、お品や繊細さはもちろん、紳士的で温かみのあるお人柄がにじみ出ている気がした。陰りがあって独特なミステリアスな魅力もまた◎。
本作の撮影期間は1991年1月14日~1991年4月11日で、この間に彼は59歳の誕生日を迎えている。そして翌年1992年9月12日に60歳でエイズによる合併症で亡くなる事により本作は遺作となった。
これより後に撮影されたであろうもう一つの遺作『殺人愛好症の男』の方が細く痩せてやつれてたっけ。それを見て知ってるから、ここでの彼はそこまでまだ体を悪くしている感じは見受けられなかった。
生きてれば今年88歳か。マイケル・ケイン様と1歳違い。病気してなければ、まだまだ映画でたくさん活躍し続けれただろうに…惜しくてたまらない。
アンソニー様は命尽きるまで『サイコ』を演じた俳優だったんだね。あの映画がきっかけで世間のイメージが固まってしまったのかもしれないけど、晩年のスリラーものを見比べれば分かる。どれもニ煎じじゃない。ノーマン・ベイツはどこにも出て来やしない。私には演じ分けの違いが分かる。
本作は基本的にカメラワークもゆっくりで、変に脅かして主張する演出が少ないため、気が散らず、その分アンソニー様のお姿をじっくり見つめることができた。
フェンスからこちらを覗くシーン、椅子の背もたれでうなだれるシーン、ティータイムの支度をするシーン、見つめ合った"それ"の幻覚を目に見るシーン、窓から外を覗くシーン…どれもが印象的なものばかり。特に寂しさを漂わせる仕草なんか好き。どのシーンでもフレーム内に彼という俳優の存在を正確に捉えてる気がして、その存在感に物凄く惹き込まれたんだよね。
万人受けしない特殊な愛の表現が出来る人ほど純粋で崇高な人だと思う。そんな人から見た不純な愛を求める輩は"悪"とうつってしまっても当然。
抑圧された幼少期に形成された人格、再び呼び覚まされる狂気。
皮肉をきかせたラストは、取り返しがつかない自ら招いた重い罪に反し、平和を好み純粋そのもので突き通してきた彼が愛おしくもあり、これ以上汚い世界で彼が苦しまなくて済むのなら、きっとこれで良かったのかもしれないなと不思議と安堵するもの。善と悪はいつだってあべこべの世界だ。
哀しいお話だけれど、見方を変えればAnthony(Tony)がAnthony(Tony)に幸せをプレゼントしたという事になる。あれが2階に住む彼なりの真剣な愛のかたちだったのだろうと考えると、そんな彼に幸福な未来を託したポジティブで素敵な終わり方なのかも♪
両方のトニーにとってのHAPPYエンドってことで♡