8Niagara8

日本の夜と霧の8Niagara8のレビュー・感想・評価

日本の夜と霧(1960年製作の映画)
3.4
当時の共産党組織のの欺瞞と限界を感じた。
そもそものイデオロギーを共有しながら、その中で様々な分断が生まれる。
長々と理想と現実を語り白熱する議論から、学生たちの生身の心情と闘争には多少なりとも真実性を帯びていたことがわかる。
ただそこのストレートな感情とそれに伴う行動ゆえに、軽薄さや滑稽さが目立つのも一つ。
主張入り乱れ、時系列も行ったり来たりと、運動そのものの実態の不安定さに繋がる。
危うさを感じる長回し、中弛みもしないわけではないが、これはこれで緊迫感の醸成に一役を買う。そのなかで戸浦六宏のうまさが光る。
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