TNT840

アウトレイジのTNT840のレビュー・感想・評価

アウトレイジ(2010年製作の映画)
3.5
キャスティングの妙と要所要所のコントじみた暴力が楽しいが、いちヤクザものとしてはそれほど新鮮味があるわけじゃない。一般社会の常識からかけ離れた独特のヤクザヒエラルキーの元で行われるのは、結局は誰の下につくかで出世の有無が決まってしまうというサラリーマン社会のよくある図式。北野作品特有の低体温な人々と定型通りの展開でボルテージがなかなか上がらない。銃声だけがド派手。エンタメからはまだ遠かった。

ただし、他のヤクザ映画よりは予算があるので出てくる車が選定含めて本物志向すぎてそこだけは眼福。ベンツ長回しからタイトル登場までのシークエンスで初っ端から痺れる。明らかに女性よりも車の方を気合入れて撮ってる。分かりやすく男と権力の象徴である車の重要性を北野監督はよく分かってる。
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