MASAYA

ココ・アヴァン・シャネルのMASAYAのレビュー・感想・評価

ココ・アヴァン・シャネル(2009年製作の映画)
3.6
シャネル作品もついに4作目。ここまで来るともはや意地との戦い。

『シャネル&ストラヴィンスキー』も『サイン・シャネル~カール・ラガーフェルドのアトリエ~』も観てすべて制覇してやります。

1981年の『ココ・シャネル』はイギリス、2008年版はアメリカ、そして本作『ココ・アヴァン・シャネル』は本場フランス製作。

ドキュメンタリー映画の『シャネル シャネル』で本人の生映像を観て以来、口調やら性格やら何となく人間像が分かった気がしていて、その分2008年版『ココ・シャネル』は美化され過ぎていて好きになれなかった。

しかし本作では強いフランス人女性、女々しさの欠片もない「ガブリエル・シャネル」をオドレイ・トトゥが見事に演じきっています。

シャネル本人だけでなく、全体的にリアルに描かれているといった印象。たとえば2008年版『ココ・シャネル』では登場人物が美男美女揃いなのに対して、パトロンであったエティエンヌもこちらでは実物像に寄せてきているところが非常に共感できる。

人物だけでなく、セリフや状況もリアルで、汚い部分も包み隠さずといった具合で気に入ったというのが正しい表現かもしれない。

逆にファッション的要素が少ないものの、人物にフォーカスして、人間関係を分かりやすくしていたのも個人的は好印象。アメリカ版ではエティエンヌとボーイという2人のパトロンとの恋愛が直線的に描かれていたのに対して、本作では2人との関係が平行して進展するのも現実的に感じた。

ただなかなかの高評価にも関わらず、3.6というスコアなのは1981年の白黒シャネルも、2008年の現代版シャネルも、そして本作もすべて描かれている時期がまったく一緒なんですね。

少しずつ違いはあるにしろ、幼少期の母の死から始まって、恋人の死で終わる。同じようなプロットの伝記ドラマを3回も観るとさすがに飽きます。

それでもシャネルの関連作品をコンプリートするまでは諦めません!(決意表明)
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