トルコ（イスタンブール）・イタリア（シチリア島）・アメリカ（ニューヨーク）と連なる麻薬密売ルートを暴くべく、麻薬取引のディープな世界に潜り込んだ捜査官コッポラ（ベン・ギャザラ）のおはなしです。

ギャザラは決してい色男とか二枚目、という訳ではないのですが、本作品内では女性にもてまくりですし、泥臭くてカッコいい役柄です。実際にその演技もエッジが効いていて素晴らしいと思いました。ストーリー自体は抑揚がなく、ちょっとダレるきらいもありますが、麻薬製造・精製・輸送・密売などの様子もリアルに描かれており、イスタンブール周辺やシチリア島（題名にもなっているシシリー）パレルモの風景などもグッドです。

ちなみに私はベン・ギャザラを初めて知ったのは、「刑事コロンボ」のうち私が大好きな回の一つで傑作の呼び声が高い「権力の墓穴」の監督としてでした。調べると彼は各種映画・テレビ賞でもノミネートや受賞も多数しているんですね。本作でも「刑事コロンボ」でも、彼の才能の素晴らしさの一端が窺えると思います。