TakayukiMonji

たのしい知識のTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

たのしい知識(1969年製作の映画)
3.8
ゴダールマラソン。
政治映画期のかなり実験的な作品。
ストイックな思想の語りが続くスタイルではなく、ゴダールらしい映像コラージュ、サウンドカット、言語のコラージュを織り交ぜた構成。特に、映像の重ね方、同時録音された音声とアフレコの音声、機械音や外界で録音された騒音を重ね合わせたり、同期と非同期のこのマッシュアップぶりがゴダールらしさが出ていた。映像と音と言語の解体と再構築が面白い。
真っ暗なスタジオで、ジャン=ピエール・レオとジュリエット・ベルトが毎夜語り合う設定は、久々に俳優と女優に演じさせてるのを見た感じ。
とはいえ、発せられるメッセージは、ひたすらに一連の社会主義思想を讃え、ブルジョワと修正主義を批判する内容。
テレビ番組のオファーで制作されたにも関わらず、テレビ局から放送を拒否されて、映画館でも検閲に引っ掛かるというエピソードが物語っている。
あと数作品は政治映画が続きそう。
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