8Niagara8

稲妻の8Niagara8のレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
4.1
成瀬らしいとも言えるドロドロでリアリズム。

肉親だからこそ見えてしまう嫌なところというのは往々にしてあるもので、ここでは金を巻き込み特に底意地の悪さが横たわる。
そもそも責任感が皆無であり、諸悪の根源とも言える母。
しがらみ、有象無象に嫌気がさす清子だが、齢23にして、とても強い女性である。
これが希望的であり、ただその一方で、周りの女たちもある種強いという形容に即した人物なのだろう。
しかし、一度その家を出れば、欲とは無縁のように生きる人たちも居るのが皮肉である。
風刺的で笑えるし、さもありなんとも言えるが、男なんぞそこそこの存在感に終始するのもいい。
8Niagara8

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