稲妻の作品情報・感想・評価

「稲妻」に投稿された感想・評価

母親と種違いの三姉妹+南方帰りの長男という家庭に
やり手の男が介入することで、家族は次々に金銭的に懐柔され
男女の関係もずるずるべったりの状態に落ち込んでいく。
潔癖な末娘はこの状況に嫌気がさして家出。
二階に下宿する女学生、次女の亡夫の妾、二人の娘と孫娘を持つという
下宿先のおばさんなど様々な女の生が紡がれていく。
ラストのシークエンスがとにかく秀逸。
どうしようもない苛立ちから母親と自らの人生を全否定する娘。
「産んで欲しくなかった!」なんてこと言っちゃう。
いちばんいい子だと思っていた末娘の叛逆に衝撃を受ける母親。
喧嘩のあげくに泣きだす親子。
そこで(理想的な兄妹の住む)隣の家から聴こえてくるピアノの音。
すっと立ち上がり電灯をつける娘。
空に向き合うような形で光るふたつの稲妻。
緊張のピークからふっと我に返る瞬間。
会話に頼らず音と動きで人間心理をサスペンスフルに表現する
後のデ・シーカ映画にも通じるような鮮やかな演出。
女性の描写にかけて右に出る者のない成瀬の面目躍如である。
泣ける。
成瀬巳喜男監督作品、主演は高峰秀子

母とそれぞれ父親の違う長姉、次姉、兄と、それに絡む人々との人間模様、人間関係に嫌気がさす末っ子を主人公としたドラマ

久しぶりに成瀬作品みました、うん、いつもながらの作風、ドロドロとした嫌なものを描きますね
どうしてもこうしてもそうなってしまったものは仕方ないっていう諦め、受け身感、浦辺粂子演じる母親が印象的
子供たちのように好きに振る舞えるわけでもなく、末っ子のように飛び出すこともできない、愚痴るぐらいしか出来ない母親を好演

特にお話に収拾をつけるわけでもなく、ハッピーエンドとも言えない終わりかたではあるけど、悪くない終わりかた

お互い泣いて感情を出し切ったら少しすっきりしたみたいな、何だかんだ言ってもやっぱり母と娘なのは変わらないみたいな、良かったです
なすび

なすびの感想・評価

5.0
よきかな。高峰秀子いつ見ても愛すべきキャラ、長ーいお蕎麦をなかなか取れないところかわいい。お蕎麦食べたくなった、そろそろ夏が恋しいな。

女同士の涙そんなものよね、泣きたいだけ泣いてスッキリして「あー泣いたらスッキリしちゃった」って「もう帰るわ」って。そんなもんそんなもん

前半ドロドロしてるのに後半主人公が一歩外に踏み出したら爽やかな兄妹に出会って最高、お兄さん見るからにイケメンで眼福

「男ってほんとにヤダ、獣みたい」ってぷんぷく膨れてる高峰秀子の妹感ハマる、こんなにちゃきちゃきした女性になりたかったなあ。私は断然未亡人お姉さん側かな。

相変わらずいや〜な女とかイヤらしい男の描き方が上手いね、いい人間ばかりじゃあないもんね。。。
うわあ、、最高…。
ラスト、親子のシークエンス。堪らねえ!
「稲妻」ってそういうことか。霊妙。
語るべきことが多すぎるのに、何も語らずにいたくなる、それこそがいい映画なんだ、ということを思い知らせてくれる。
女心と夏の空。汗したたるほどに勇ましく、熱はものを腐らせる。だけども燦々と輝いて、心澄み切る美しさ。父親の違う三姉妹とその母の心模様に、短い影程度に女々しく男。蕎麦で笑える映画があるだなんて、今の今まで知りませんでした。稲妻に 実を結ばせる 稲穂かな。素晴らしい。
イシ

イシの感想・評価

4.5
再見した。
よい映画。

母親と、父親がすべて異なる4人きょうだいの家族。ややこしいケンカや仲たがいの絶えない家族の縁から一人立ちしたい末娘(デコちゃん)の気持ちは、現代人でも共感できる。

親子の縁は切れるわけじゃない。いくら社会が「自分は自分」を言ったって。
にっちもさっちもいかないな、と感じ、偶然空いてた気持ちのいい知人の家に引っ越して、その隣に住む兄妹の明るさやあたたかさに学びながら、ある日、やっと母と本音のケンカができたデコちゃん。そのとき、彼女の座る窓際の外に、綺麗な稲妻が光る。
家族の人柄や性格を変えられるわけじゃない。だけどそうやって距離をとって、ケンカして、またちょっと仲良くなって、縁を切らずになんとかやってく。そういった関係が描かれてると思う。グザヴィエ・ドランにみてほしい。演出をもっと学んでほしい。

デコちゃん、隣のお兄さんと仲良くなって、幸せになれたらええな。
jack

jackの感想・評価

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おもしろい。中北千枝子が子供を背負いながら、三浦光子宅にフラフラと入ってくる場面の不穏な空気がすごい。橋を渡って中北千枝子宅に話をつけにいくところや、高峰秀子に会いに来た小沢栄太郎を追い払う場面の緊張感も。葡萄の皮を背後の庭に放り投げながら食べる高峰秀子が魅力的。

このレビューはネタバレを含みます

台詞が聞き取りづらく、登場人物とその関係も分かりにくい。

唯一最後の、産んでくれなければ良かったと言う小森清子と産むんじゃなかったと言うおせいが共に泣くシーンは印象的。
親に感謝の気持ちを持って、親を悲しませないようにしなきゃと思わされる。
あらき

あらきの感想・評価

4.3
子供が不吉
高峰秀子がきらきらしている
高峰秀子の部屋で蚊を潰そうとする浦辺粂子にグッときた
mingo

mingoの感想・評価

3.6
成瀬verより大庭ver観たかったんだけど職場から近いこちらを選択、、いやぁ暗いな暗い。成瀬は特に庶民の中でも金銭面に困窮する下級な人々を描いた作品が多い。バスガイドをしている凛々しい太陽的存在の高峰秀子に、血も意志も繋がらないバラバラなくそみそ兄弟に、我の強い小沢栄太郎のバランスが良き。稲妻のあとに何事もなかったかのように浦部粂子と仲直りするの成瀬っぽい…
余計大庭ver観たかったわとしか思わなくなりました、、、
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