似太郎

稲妻の似太郎のレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
4.7
【私の歩み方👩‍💼】

日本を代表する俳優陣総出演で贈る百花繚乱のダメダメ女日誌とも言うべき映画。ドロドロした人間の卑しさが描かれていてとても日本的。

綺麗事の多い小津安二郎には到底無理な表現である。別に小津をディスってる訳ではないが。

昭和の東京の街並みがモダンで見応えたっぷり。主演のデコちゃんの真っ直ぐ生きる!な姿勢には共感する。なんか顔がアンパンマンみたい。その他大勢の俳優がふてくされた屑っぷりを披露。この卑屈さはいったい何だ❓

まあ、そこが淀川長治の嫌う成瀬巳喜男の【しょーもなさ】の一因なのだ。ヘタレ、或いはダメ人間ものの元祖。何やっても上手くいかない底辺の人達の話だから、おれ的にはものすごくシンパシーを感じる映画だった。憧れる。

人間って本来【しょーもない】動物なんだよ、と監督から諭された気分にもなる一人の女の生き様を丹念に、時に容赦なく描いたバイタリティ溢れる文芸映画の名作。どんなに現実が酷くても上を向いて歩こう。♫
似太郎

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