くろいひと

稲妻のくろいひとのレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
3.6

絵に描いたようなろくでもない兄妹関係のなかで、ひとり自分を持って生きる清子。
だが清子はものがたりの主人公というより、この醜い人間関係をみすえるカメラという「眼」の役割をになっている。
だからこそその「眼」が夕立の稲妻のように突如として吐く本音が、観るものの共感を呼ぶ。

なんとも鬱々とした話だが、雨上がりのラストシーンに、ジョン・フォード的な希望あるヒューマニズムさえ感じさせる秀作。
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