揺籠ふぃるす

デモンズ5の揺籠ふぃるすのレビュー・感想・評価

デモンズ5(1989年製作の映画)
3.7
日欧米 Movie Sabbath
30作品目

残念邦題、デモンズシリーズじゃないので減点要因になってしまっている。
『血塗られた墓標』マリオ・バーヴァの息子さんランベルト・バーヴァがリメイクしたTV映画。

原案はニコライ・ゴーゴリ『ヴィイ』
親父さんの時点で原形を留めていなかったが、今作ではやや寄せつつアレンジした部分もあり楽しめた。

イタリアの制作会社が『吸血鬼ドラキュラ』の成功によって海外向ホラーを打診したのが『血塗られ〜』だったとの事で、今作は意図してなのか偶然か。クリストファー・リー復帰2作目(シリーズ通算3作目)『凶人ドラキュラ』や次作『帰ってきたドラキュラ』の氷漬けが一致している。まあ、火刑の反転てことで、個人的こじつけかも。

舞台を現代の雪山に移し、スラッシャー定番の男女仲良しグループがエラい目に合う、モダン meets ゴシック。クレバス落下から、氷と雪に閉ざされた教会や村で物語が展開していく感じは『不思議の国のアリス』を連想させた。

ホマーへの復讐劇から、ダビデの誘惑へと目的を変更しているけど、ちょっとクドい。納屋でのシーン(原作アレンジ)くらいで、個人的にはお腹いっぱい。

評価低いとフォローしたくなっちゃうのなんでだろう。

その他、未掲載映像化鑑賞作品ついでに書いちゃう。
一覧は『妖婆 死棺の呪い』
に置いておきます。

31作品目 ★3.6?
『Свето место(Sveto Mesto)』(1990)(ユーゴスラビア、現セルビアもしくはモンテネグロ)
直訳は聖地?多分聖域みたいな感じ?割と忠実な映像化でセルビア語解らなくても観れた。現在進行形を寒色のトーンで描き、いかにヤバい魔女かってのを、回想で暖色のトーンを使い魅せる。
寝かせたお犬番の兄ちゃんの下腹部でトランポリンするシーンでは思わず顔をしかめた。メイドさんとの百合シーンでは『吸血鬼カーミラ』を引用。ネクロフェリア的解釈の脚色。映像化した事に拍手を送りたいが、男性自身に対する執拗なまでの攻撃性は一体…。

32作品目 ★3.?
『ведьма』(2006)(露)
舞台を現代に移し、タブロイド記者のイワンが司祭に扮し三夜の回向に挑む。露語だったんで全編把握は無理だった。信仰を取り戻した主人公の勝利。吸血鬼物+エクソシスト。朝日に焼かれる魔女の散華が灰で無く花弁なのは良かった。
揺籠ふぃるす

揺籠ふぃるす